不登校支援を問い続ける。11回の議会質問とその後

不登校になってから支援するだけではなく、子どもが出している小さなSOSに、もっと早く気づけないか。
令和6年3月、そこから質問を始めました。
調べていくと、先生たちは子どもと向き合いたくても時間がない。
支援制度はあっても、保護者が最初にどこへ相談すればいいのか分からない。
支援が始まっても、その存在を知らない人がいる。
一つの答弁を聞くたびに、「では、実際はどうなっているんだろう?」という次の疑問が生まれました。
令和6年3月から令和8年9月まで、11回。
ここでは、議会で何を問い、その後何が分かり、次の質問へどうつながっていったのかを時系列でまとめています。
2年半、問い続けてきたこと
令和6年
「不登校になってから」ではなく、その前に。
令和6年3月議会
子どもの小さなSOSに、早く気づけないか。
高槻市の不登校の状況を調べ、保護者、学校の先生、スクールソーシャルワーカー、有識者などから話を聞きました。
そこで着目したのが、子どもが学校に行けなくなってからの支援だけでなく、行きづらさを感じ始め、SOSを出している段階で気づくことでした。
過去に高槻市で行われた「魅力ある学校づくり」の取組とその効果を確認し、学習面だけでなく心理面の支援、先生と専門職との連携の必要性を質問しました。
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令和6年6月議会
先生は、子どもの変化に気づける時間を持てているか。
3月議会の答弁を受けて考えたのは、「子どものSOSに気づくための時間を、先生は持てているのか」ということでした。
小中学生の保護者約100人へのアンケートでは、授業以外で先生と話す時間について「5分」と答えた人が約6割。
そこで、これまでの働き方改革によって教員の負担が実際にどれだけ軽減されたのかを確認。
「先生にしかできない仕事」と「他の人がサポートできる仕事」を分け、先生が子どもと向き合う時間をつくれないかと問いかけました。
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令和6年9月議会
先生を支える人を、学校に増やせないか。
6月議会で見えてきたのは、先生自身が「子どもと向き合いたい」と思っていても、業務量が多く、時間を確保することが難しい現実でした。
そこで、学校の仕事すべてを先生だけで担うのではなく、教員免許がなくても担える仕事を支える人を増やすことに着目。
既存のスクールサポーターなどの仕組みも確認しながら、学校現場を支える人員と予算を増やし、教員業務支援員の導入を求めました。
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令和6年12月議会
「検討中」の、その後はどうなった?
9月議会で、市から教員業務支援員について「検討を進めている」との答弁がありました。
そこで12月議会では、その後の進捗を確認。
あわせて、一人の担任だけではなく複数の教員が子どもを見る「学年担任制」についても、他市の事例を調べたうえで質問しました。
一度提案して終わりではなく、その後どうなったのかを確認する。
教員が子どもの小さな変化に気づける環境を、引き続き求めました。
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令和7年
支援をつくる。その次は、「本当に使えるか」。
令和7年3月議会
教員業務支援員の配置へ。では、その効果は?
令和6年9月・12月議会で導入を求めてきた教員業務支援員について、令和7年度、小学校6校と中学校18校への配置が決まりました。
そこで、配置して終わりではなく、教員の負担が軽減されたのか、子どもと向き合う時間につながったのかをどう検証するのかを質問しました。
そして、次に見えてきた課題がありました。
子どもを支える保護者から届いた、
「相談先はいろいろあるけれど、最初にどこへ相談すればいいのか分からない」
という声です。
ここから質問は、先生を支える仕組みから、保護者が支援につながるための「入口」へと進みました。
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令和7年6月議会
「まずここに相談すれば大丈夫」と言える場所はある?
不登校の背景には、学校での人間関係、発達、心身の状態、家庭環境など、さまざまな要因があります。
だからこそ、保護者自身が最初から「教育なのか、福祉なのか、心理なのか」を判断して、正しい相談先を選ぶのは難しい。
3月に提案した総合相談窓口について、国の保護者支援に関する補助事業の活用も含めて改めて質問しました。
市からは「まずは学校が窓口」との答弁。
しかし、すでに学校に何度も相談したうえで、次の相談先に迷っている家庭もあります。
支援があっても、最初にたどり着けないこと自体が壁になっていないか。
明確な相談の入口を引き続き求めました。
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令和7年9月議会
その支援、本当に役に立っている?
支援策を増やすだけでなく、今ある施策が実際に子どもや家庭の支えになっているのかを確認しました。
市は、学校へのヒアリングやケース会議などを通して支援状況を把握し、登校復帰に至った好事例などを共有していると答弁。
そこで、さらに問いかけました。
専門職や学校の中に蓄積されている「どんな支援が役に立ったのか」という知見を、困っている保護者とも共有できないか。
制度を実施すること自体を目的にせず、その効果を確かめ、次の支援に生かす仕組みを求めました。
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令和7年12月議会
結局、「最初の入口」はどこ?
6月には保護者向けの総合相談窓口、9月には支援の知見を保護者とも共有する仕組みについて質問しました。
しかし、市の考えは「学校を最初の相談窓口とする」というものでした。
一方で、実際には、すでに学校へ相談したうえで次の相談先に迷っている家庭もあります。
そこで改めて、
「不登校に関する相談の初期窓口はどこなのか」
を確認しました。
支援先を保護者自身が探し回るのではなく、まず相談を受け止め、必要な支援へつなぐ入口を分かりやすくできないか。
問いは令和8年へ続きます。
令和7年12月議会の質問を読むこちら
令和8年
「支援がある」から、「本当に届く」へ。
令和8年3月議会
学校に相談しづらい人は、どこにつながればいい?
不登校の初期段階では、
「学校に知られたくない」「先生には相談しづらい」
と感じる子どもや保護者もいます。
そこで、学校だけで支援を抱えるのではなく、地域、民間、福祉、NPOなどとも連携し、学校に行きづらさを感じ始めた段階から、学校以外の支援にもつながれる仕組みを質問しました。
その質疑の中で、市から一つの取組が示されました。
令和7年2月から教育センターで実施されている「あつまれ、エスペのもり」。
学校を介さず、インターネットから直接申し込むこともできる支援です。
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令和8年6月議会
支援はあった。でも、必要な人に届いている?
3月議会で知った「あつまれ、エスペのもり」。
実際に参加している保護者からは、助かっているという声がありました。
一方、学校に行きづらさを感じている子どもの保護者に聞くと、その存在自体を知らなかった人もいました。
そこで、自分でもスマートフォンを使って、検索から申込みまでの導線を確認。
情報そのものは掲載されていても、教育センターのページはスマートフォンで見づらく、必要な情報や申込み画面にたどり着きにくい状態であることを議会で取り上げました。
情報が「ある」ことと、必要な人が「見つけられる」ことは同じではありません。
支援の中身だけでなく、そこへたどり着くまでのアクセシビリティも問い直しました。
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令和8年9月議会
誰に相談しても、必要な支援につながれる?
次に確認したのは、「入口の先」でした。
不登校の背景には、心理面だけでなく、友人関係、家庭環境、福祉的な課題、発達上の課題などが複雑に重なることがあります。
では、最初にスクールカウンセラーへ相談したのか、スクールソーシャルワーカーへ相談したのかによって、その後の支援が変わってしまうことはないのか。
誰が必要な専門職を判断し、誰が支援全体をつなぐのか。
市からは、校内対策委員会などで状況や背景を把握し、必要に応じて担当教員を中心に専門家や関係機関と連携する仕組みなどが示されました。
大切なのは、
相談先を正しく選べる人だけが、支援につながれる仕組みにしないこと。
最初に誰へ相談しても、その子に必要な支援へつながる仕組みになっているか。
これからも確認していきます。
令和8年9月議会の質問を読むこちら
11回の質問で、問いはここまで進みました。
最初の問いは、
「不登校になる前の、小さなSOSに気づけないか」
でした。
そこから、
先生が子どもと向き合う時間はあるか。
先生を支える人を増やせないか。
保護者は最初にどこへ相談すればいいのか。
支援策は、本当に役に立っているのか。
学校に相談しづらい人にも入口はあるか。
その入口を、必要な人が見つけられるか。
そして今は、
「どこから相談しても、その子に必要な支援につながれるか」
まで問いが進みました。
まだ、途中です。
制度があることと、必要な人が実際に使えることは、同じではありません。
相談窓口があることと、困っている人がそこまでたどり着けることも、同じではありません。
そして、支援につながったことと、その人に必要な支援が届いたことも、同じではありません。
だから私は、一度質問して終わりにせず、
「その後、どうなりましたか?」
を確認します。
答弁を聞く。現場の声を聞く。自分でも確かめる。そして、まだ届いていないものがあれば、もう一度議会で問う。
「制度があります」で終わらず、 本当に必要な人に届く仕組みになるまで。
これからも、その後を見続けます。
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