こんにちは
3月議会で3つ一般質問をしました。
一般質問とは、議員が市の行う仕事に対して疑問点を質問し、答弁を求めるものです。
→分かりやすく長崎市が書いてくれています。こちらを読んで下さい
政策テーマでもある「障害のある人もない人も生きづらさを抱えている人も、みんなで一緒に歩んでいける街」に基づき一般質問を致しました。
その内容を公開します。
※2週間以内に私の発言内容が動画として高槻市議会よりUPされます。
<私の質問>
2022昨年度、文部科学省の調査によりますと、全国の小・中学校から報告のあった不登校の児童生徒の数は合わせて29万9048人と、過去最多となりました。前年度から5万4108人=22.1%増え、10年連続で増加しています。
現在、高槻市の小中学校の児童数は全員で2万6千952人います。事前に教育指導課でお聞きした情報では、小中全校生徒の不登校の人数は、令和4年度、合計714人と割合は2.6%ですが平成30年と比べると約2,3倍増加しています。
中でも気になるのが高学年になればなるほど増加の一途をたどっている事です。
令和4年度の数字で、
小1 19
小2 33
小3 38
小4 51
小5 79
小6 87
中1 107
中2 142
中3 158
これらの数字は、国が定める不登校の定義である、病気や経済的な理由を除いて、当該年度間に連続又は断続して30日以上欠席した生徒の数であり、不登校になりかけている生徒の数は含まれていません
日本財団が2018年に調査をした「不登校傾向にあるこどもの実態調査報告書」によると国が発表している10万人の数字に加え33万人の子供が潜在的に存在しており、待ったなしの対策が求められています。
事前にお聞きした情報では、高槻市が行っている公的な場所での不登校対策は、これまで不登校が発生した児童を受け入れる不登校児童生徒支援室、エスペランサを市内に1か所設置、また各中学校に配置されている「心の教室」があります
事前に利用人数をお聞きしたところ令和4年度、エスペランサの利用は19名、令和5年度10月地点で中学校における心の教室利用者が161名、出席扱いとなるフリースクール13施設の利用人数は41名、714人の不登校が発生している中で残り400近いお子様はご自宅で過ごしているのが現状です。
ここから私は3か月に渡り一体何が起きているのか?あるべき支援の在り方は何か?不登校のお子様を持つ保護者の皆様、学校の先生、スクールソーシャルワーカー、その他大学等有識者含めて関係機関でお話を聞いてきました。
その過程で分かったことは、「予防」するための取り組みが大切である事です。
文科省令和2年度不登校児童生徒の実態把握に関する調査報告書から、不登校の兆候から不登校になるまでには1か月から半年ほどの期間があるとされ、その多くは学習面と友人関係に関する課題を自覚しているとされています。
子供はなかなか「学校に行きたくない」と親に言えず無理していき、コップの水がいっぱにとなり「いけない」に変わります。
つまり不登校対策とは、不登校になってしまってからではなく、不登校になるまでの期間、子供がSOSを出している間に気づき、予防の対策を行うことが必要であると言われています。
そこで質問です。
平成28年、29年に阿武山中学校校区で不登校の予防対策に取り組んでいたとお聞きしています。その詳細と具体的な効果を教えてください。また、なぜ今は続けてないのでしょうか?
<市の答弁>
不登校の未然防止の取組についてですが、平成28年度と平成29年度に、阿武山中学校区が国立教育政策研究所の「魅力ある学校づくり調査研究事業」の委嘱を受けております。
「魅力ある学校づくり」とは、不登校になった児童生徒だけではなく、全ての児童生徒を対象とした集団に焦点を当て、「学校が楽しい」、「授業がよくわかる」など、8つの質問項目からなる意識調査を活用し、安心できる居場所づくりや絆づくりを行うものです。この取組により、児童生徒一人一人の自己有用感が高まり、阿武山中学校区全体で新たに不
登校となる数を抑制するなどの成果が見られました。
研究成果を踏まえ、全ての小中学校で、児童生徒にとって学校や学級が安全・安心な居場所となるような取組や、「わかった・できた」と実感できる授業づくりを行うなど、「魅力ある学校づくり」を現在も継続して取り組んでいるところです。令和4年度と令和5年度には、2つの中学校区を生徒指導研究指定校に位置付け、学習面でのつまずきが、不登校の継続や学校への復帰を妨げる要因であると捉えた実践研究を行ってまいりました。本研究においては、これまで取り組んできた「魅力ある学校づくり」の未然防止の視点を基盤としながら、不登校の兆しのある児童生徒や、すでに不登校になっている児童生徒への必要な手立てを研究し、個別の計画を作成することで、よりきめ細かな指導や支援につながっているものと考えています。
<私の意見要望です>
学習面のつまづきだけが不登校の原因なのでしょうか?
現在の不登校は多くの要因があり、その要因は一人一人違います。
本人の特性、いじめ、先生の対応、ご家庭内の事など複合的な要因が絡み合い断定できないケースが多いとされます。
特に学校の先生に関しましては、行政の皆様は既にご存じだと思いますが、授業準備や書類作成、生徒・保護者との対応、部活の顧問など、業務量が多岐に渡る過密スケジュールの中でも懸命に子供と向き合って仕事をしています。
それに加えて、支援が必要なお子さんの増加に伴い、学習面の指導だけでなく心のケア、心理面でのサポートも求められています。
このような現状にて、学習面に加えて心理面でのサポートを、現場の先生に任せるのは限界があるのではないでしょうか?
教育の現場にて、私は子供たちの心のケア、心理面のサポートを行えるスクールソーシャルワーカーさんこそ不登校対策の鍵を握ると考えています。
スクールソーシャルワーカーは地域の居場所や当事者団体、フリースクールなどの情報を把握し、教育現場とそれら地域の社会資源を結びつける非常に大切な役割があります。
不登校には段階があり、その対応が異なることも理解しています。
不登校はトラブルではなくアクシデントです。アクシデントには、その要因となるインシデント、つまり事故などが発生する危険のある「芽」があると言われています。 そのインシデントを防ぐことができるのは、毎日お子さんの様子を見ている学校の先生です。
不登校が発生するまでに子供が発するSOSの小さなサイン、異変に気が付き声をかける、それでも難しい場合は、サポートできるソーシャルスクールワーカー との連携により予防ができると考えます。
ため息が多い、顔色が悪い、楽しくなさそうだ、眠そうだ、以前と違って一人でいることが多い
など、先生たちが気付き「最近、ため息が多いけど大丈夫?」や、「最近、お友達と何かあった?」など、声をかけることで「先生が私を見てくれている」と尊重された気持ちになります。 声をかえられた子は、見守られている安心感から、先生との間に信頼関係ができます。
また、小さなサインを親御さんとの連絡ノートにて「ため息が多く疲れている様子です」と書いて伝えることで、事前に親御さんと連携もとることができます。小さな異変があることを、ほかの先生たちとも共有できれば、気を付けてあの児童をみようと意識することに繋がります。
そのためには、学習面だけでなく心理面の点で気が付いたことがあれば先生たちがもっと気軽に 声をあげる仕組みが大切だと考えます。
学習面と心理面のサポート、これが共にそろって「魅力的な学校づくり」につながるのではないでしょうか?
高槻市では、令和6年度、3名のスクールソーシャルワーカーさんを増員すること、不登校等支援員が6名増員されることは大変喜ばしいことです。
できることを取り組まれているからこそ、子供たちのかけがえのない貴重な学童期に、たまたま先生に恵まれたからよかったと、運や縁に任せてし
まわないように引き続き、宜しくお願い申し上げます。
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事前に他市で勤務するスクールソーシャルワーカーさんから、
先生と子供たちとの信頼関係がいかに大切なのかについて教えて頂きました。
私は現在、1人で100人の不登校児童を担当しています。不登校になったお子さんの中には、これまで幾度となくSOSを出してきたけれど発見されず心が折れてしまった子供にとって、大人は信用できる人ではないのです。子供たちとの信頼関係構築まで非常に時間がかかります。なぜ不登校になったのか?これからどうしたいのか?ストーリーをつむぐ必要があり、これができて初めて信頼関係ができます。それができて初めて、「エスペランサに行ってみたら?」と薦めて「行ってみようかな」になるのです。そうでなければどれだけすすめても「またいけなくなったらどうしよう」と親の期待を裏切ってしまったらと悩むお子さんもいます。
お話を伺いまして、不登校の問題は簡単に解決しないと感じました。
高槻市の現在の不登校対策の政策は、現状をなんとかしようと取り組まれているものが多いと感じます。
現状の対策の前に、まずは、予防について考えていかなければいけません。予防は現状に影響を与えますが、現状は予防に影響をしません。
不登校対策は待ったなしの喫緊の課題です。
教育委員会の皆様には、危機感を持ってほしいと思いました。
この不登校の質問はこれから、継続して行っていきます。
皆様引き続き、ご意見お待ちしております。
宜しくお願い申し上げます。
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