学童保育を、問い続ける。7回の議会質問と、その後

「空きがある」だけで、本当に選べますか?
同じ高槻市に住んでいても、通う学童によって、子どもが過ごす環境に差がある。
令和6年9月、市内の学童保育室の広さを調べたことから、質問を始めました。
市は、増え続ける学童ニーズへの対応として、民間学童の活用を進めています。
では、民間学童は本当に公立学童の受け皿になっているのか。
公立学童を増やそうとしても、指導員は足りているのか。
高学年になっても、必要な子どもは利用し続けられるのか。
そして、市が「空き枠がある」と判断しているその席は、支援や配慮が必要な子どもも含めて、本当に使える席なのか?
一つの答弁を聞くたびに、現場を確認し、保護者や子どもの声を聞き、他市も調べ、次の問いへ進んできました。
ここでは、令和6年9月から令和8年9月までの7回の質問と、その後をまとめています。
令和6年
まず、「地域による差」から調べました。
令和6年9月議会
同じ高槻市なのに、学童によって環境が違うのはなぜ?
共働き家庭の増加などによって、学童保育のニーズは高まっています。
一方、学童は単に子どもを「預かる場所」ではありません。子どもが放課後の長い時間を過ごす「生活の場」でもあります。
そこで、市内の学童保育室の状況を調査。
国の設備運営基準では、専用区画の面積は児童1人につきおおむね1.65㎡以上とされています。一方、高槻市では条例上、児童1人あたり1㎡以上としています。
同じ高槻市の子どもなのに、通う学童によって育成環境に大きな差が生じていいのか。
学童保育の地域格差について、ここから質問を始めました。
令和6年9月議会の質問を読むこちら
令和6年12月議会
「市の基準を満たしている」で、終わっていい?
9月議会の後、改めて市内の状況を確認。
2024年10月1日時点で、市内42校に設置された62室のうち、国の1人あたりおおむね1.65㎡以上という基準を満たしていたのは8室でした。
市からは、高槻市の条例では1㎡以上としているため基準上は問題がないことなどが示されました。
しかし、
基準を満たしていることと、子どもが安心して過ごせる環境であることは同じなのか。
近隣市の状況も調べ、公立学童の環境改善について改めて質問しました。
令和6年12月議会の質問を読むこちら
令和7年
「民間学童を活用する」。では、本当に使える?
令和7年3月議会
民間学童は、本当に公立学童の受け皿になっている?
市は、学童需要への対応として民間学童の設置・活用を進めています。
しかし12月議会の後、保護者からさまざまな声が届きました。
1年生から申し込んでいても入れなかった。
校区によって民間学童の数が違う。
生活圏内に施設がなく通わせにくい。
入室の選考が分かりにくい。
そこで、
「民間学童がある」ことと、「その家庭が実際に利用できる」ことは同じなのか
を確認しました。
公立学童の臨時室開設についても提案しましたが、そこで新たに見えてきたのが、指導員不足という問題でした。
令和7年3月議会の質問を読むこちら
令和7年6月議会
場所を増やしたくても、働く人が足りない。
3月議会で確認したところ、学童保育の月額制指導員は約30人不足していました。
では、どうすれば必要な人材を確保できるのか。
近隣の茨木市にも話を聞き、指導員の雇用形態などを調査しました。
単に募集情報の周知を強化するだけで、本当に必要な人数を確保できるのか。
施設だけでなく、そこで子どもを見る人まで含めて、学童保育の受け皿ではないか。
人材確保のあり方について質問しました。
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令和7年12月議会
高学年になっても、必要な子どもは利用し続けられる?
低学年の混雑について質問を続ける中で、別の課題が見えてきました。
高学年の預け先です。
市のアンケートでは、高学年の約7割が放課後を自宅で過ごすという結果があり、市は高学年の学童ニーズは少ないと判断していました。
しかし、それは「現在どう過ごしているか」を聞いた数字。
「本当は学童を利用したいか」まで分かる数字なのか。
独自に保護者アンケートも実施し、高学年になっても学童を必要とする家庭のニーズについて質問しました。
また、3年生まで公立学童を利用していても、4年生以降も継続して利用できる制度上の保障がないことについて、市の考えを確認しました。
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令和8年
数字や制度の説明と、「実際」は一致している?
令和8年3月議会
「混雑は確認されていない」。でも、子どもたちの実感は?
赤大路小学校の学童保育について、トイレ環境の改善を求める要望書と約200名の署名が提出されました。
市からは、指導員からの報告や職員による現地確認では「混雑は確認されていない」との説明。
しかし、その後、保護者や児童に聞くと、
「集団遊びの時間帯には混雑する」「夏休みや新学期など利用者が多い時期は状況が違う」
という声がありました。
そこで問いました。
行政が確認した「問題なし」と、実際に利用する子どもや保護者の実感が違うとき、どうやってもう一度実態を確かめるのか。
「確認しました」で終わらず、いつ、どこを、誰に聞くかによって見えるものが違うのではないかと問いかけました。
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令和8年9月議会
「70名以上の空き」。その席は、本当に誰でも使える?
日吉台学童保育室について、保護者有志から3室目の開設などを求める要望書が提出されました。
市は、日吉台小学校区には民間学童が6か所、定員240名あり、現時点で70名を超える空き枠があることから、3室目の開設ではなく民間学童による受入れを進める考えを示しました。
でも、ここで確認したいことがありました。
その70名の「空き」は、すべての子どもにとって、本当に利用できる空きなのか。
実際に、障害があり支援や配慮を必要とする児童について、民間学童を希望しても受入れ先が見つからなかったという相談もありました。
民間学童は各事業者が入室者を決定し、受入れ条件も一律ではありません。
だからこそ、
「空き枠が70ある」という数字だけで、必要な受け皿が確保されていると判断していいのか。
数字上の空きではなく、その子が実際に使える選択肢になっているかを質問しました。
令和8年9月議会の質問を読むこちら
7回の質問で、問いはここまで進みました。
最初は、
「同じ高槻市なのに、なぜ学童によって子どもの育成環境に差があるのか」
という問いでした。
そこから、
市の基準を満たしていれば、それで十分なのか。
民間学童は、本当に公立学童の受け皿になっているのか。
施設があっても、指導員がいなければどうするのか。
高学年になっても、必要な子どもが利用できるのか。
行政の確認と、利用する子ども・保護者の実感は一致しているのか。
そして今は、
「空きがある」は、「選べる」と同じなのか。
という問いまで進んでいます。
まだ、途中です。
学童が「ある」ことと、その家庭が実際に利用できることは、同じではありません。
定員に「空き」があることと、その子が受け入れてもらえることも、同じではありません。
市の基準を満たしていることと、子どもが安心して過ごせていることも、同じではありません。
だから、一度質問して終わりにせず、
その後、どうなったのか。 そして、実際に使える仕組みになったのか。
これからも確認していきます。
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