令和8年度 6月議会 ①子どもの早期支援とスクールソーシャルワーカーの役割について
- 西村ゆみ

- 6月22日
- 読了時間: 9分
令和8年度6月議会で4つ一般質問をしました。
①子どもの早期支援とスクールソーシャルワーカーの役割について
私の質問
前回の一般質問において、私は、いじめの早期発見・早期対応におけるスクールソーシャルワーカーの役割の重要性について質問いたしました。
スクールソーシャルワーカーの仕事の本質とは、子どもを取り巻く環境に働きかけて課題の解決を図ること、そして学校と家庭、福祉、医療、行政などをつなぐ、福祉の専門職であると理解しています。
その重要性は年々高まっており、文部科学省も、SSWを単なる外部の相談員ではなく、学校経営や生徒指導を支える「チーム学校」の重要な専門職として位置づけています。
高槻においても、令和5年度にスクールソーシャルワーカーは3名から6名へと増員されました。
そこで、小学校における活動回数について確認したところ、3名体制であった令和5年度と、6名体制の令和7年度を比較すると、
年間活動回数が20日から41日の学校は6校から13校へ増加
年間活動回数が42日から83日の学校は3校から13校へ増加、
課題好転率も28.1%から40.1%へと大きく向上していました。
スクールソーシャルワーカーが継続的かつ丁寧に関わることで、困難な課題が解決に向かっていることは、大いに評価するものであります。
一方で、このデータの中には気になる変化も見られました。
それは、年間活動回数が1日から9日という学校が、26校から6校へと大幅に減少している点です。
もちろん、これは支援が必要な学校が減ったという可能性もあります。
しかし一方で、特定の学校への深い支援が充実した結果、本来であれば早期に発見し、比較的短期間で対応できたはずの案件への関与が減少している可能性も考えられます。
高槻市のスクールソーシャルワーカーは派遣型であります。
この仕組みでは、学校側が「これはスクールソーシャルワーカーにつなぐべき課題だ」と認識し、教育委員会へ派遣を要請するまでに一定のタイムラグが生じます。
また、教職員の経験や福祉的課題への理解の差によって、支援につながるかどうかに差が生じる可能性もあります。
現在、高槻市には59の市立小中学校があります。これを6名のスクールソーシャルワーカーでカバーするため、1人あたり約10校を受け持っている計算になります。
もし、長期化・深刻化した案件への対応に多くの時間を要し、本来の役割であるコーディネート機能よりも、個別支援に比重が置かれているとすれば、新たな相談や早期対応に十分な時間を確保することが難しくなることも懸念されます。
高槻市がスクールソーシャルワーカーを増員し、支援体制を充実させたからこそ、今後は学校側がいかに迅速かつ円滑にスクールソーシャルへ繋がれるかが重要になります。
そこで質問です。
高槻市はスクールソーシャルワーカーの仕事を、どの課題をどこまで解決する役割を担う専門職として位置づけているのでしょうか?
例えるなら、自ら現場で直接対応にあたる『119番』のような存在なのか、それとも状況をアセスメント(評価)し、適切な支援先へと繋ぐ『#7119』のようなコーディネーターの役割なのか、
市の定義を教えて下さい。
市の答弁
スクールソーシャルワーカーは、虐待や家庭環境の問題、経済的困難、いじめや暴力行為、発達に関する課題など、児童生徒を取り巻く多様な課題の改善や解消に向けて、福祉の専門的な立場から支援を行う専門職です。 スクールソーシャルワーカーは、課題の背景にある様々な環境へ働きかけを行うとともに、よりよい支援体制の構築に向けて、学校内の教職員と調整を図りながら、医療・行政・福祉などの適切な外部機関とつなぐ役割を果たします。
2問目の私の質問
ご答弁では、スクールソーシャルワーカーを、「学校内の教職員と調整を図りながら、医療・行政・福祉などの適切な外部機関とつなぐ役割を果たす」専門職と位置づけられました。
いわば『#7119』のように、問題を一人で抱え込んで解決するのではなく、適切な支援へと繋ぐコーディネーターであるという点について、市としての考えを確認できたものと受け止めます。
そのうえでお伺いします。
コーディネーターという役割の価値は、必要な時に、必要な人が、迷わずつながれることにあると私は考えます。
しかし、本市の派遣型という仕組みでは、学校が課題を把握し、スクールソーシャルワーカーにつなぐ必要があると判断して初めて支援が始まります。
つまり、早期につながるかどうかは、学校現場における気づきや判断のタイミングに大きく左右される仕組みでもあります。
実際、先ほどの答弁でもありました通り、スクールソーシャルワーカーを6名へと増員し支援体制を充実させた一方で、学校ごとの年間活動回数を見ると、活用頻度が極めて高い学校が増える一方で、活動回数が一桁にとどまる学校も依然として存在し、学校間の活用状況に大きな開きが生じています。
もちろん、支援事案の複雑化や継続的な支援の必要性など、さまざまな要因が考えられることは承知しています。
しかし私は、この変化を見て、支援が必要な段階で確実にスクールソーシャルワーカーにつながる仕組みが十分に機能しているのか、また学校によって活用のタイミングや頻度に差が生じていないのかという点を確認したいと考えています。
支援体制を充実させることは重要ですが、それと同時に、必要な子どもや家庭が、担当する教職員の経験や認識の違いに左右されることなく、適切な時期に支援へつながる仕組みになっていることも重要です。
そこでお聞きします。あわせて3点伺います。
1点目、学校現場が「この段階でスクールソーシャルワーカーにつなぐべき」という共通認識を持てるよう、教育委員会としてどのような基準や運用ルールを示しているのでしょうか?
2点目、スクールソーシャルワーカーの活用状況に学校間の差が生じていないか、教育委員会としてどのようにその実態を把握しているのでしょうか?
3点目、活用が少ない学校や、支援につながるまでに時間を要している学校がある場合には、具体的にどのような働きかけや支援を行っているのか、
お聞かせください。
市の答弁
これまでの繰り返しのご答弁となりますが、活用件数の差は、学校規模や地域の支援環境の違いによるものであり、学校の対応力の差ではありません。 これまでも、各学校がスクールソーシャルワーカーを効果的に活用できるよう、生徒指導研修会等において、スクールソーシャルワーカーが講師を務め、事案の見立てや具体的な専門家を活用した対応事例等の共有を図っています。 さらに、本市では、学校から様々な事案等の報告を受ける指導主事がスクールソーシャルワーカーと日常的に情報を共有しながら、派遣の判断を適切に行っています。加えて、スクールソーシャルワーカーが定期的に担当校を巡回しており、各学校の校内会議に参画することで、ケースの早期把握・早期対応ができる体制を整備しております
<最後の意見・要望>
高槻においては、スクールソーシャルワーカーを増員し、巡回や校内会議への参画などを通じて、早期把握・早期対応の体制整備を進めていただいていることは評価いたします。
一方で、支援体制は整備することが目的ではなく、それが実際に機能し必要な子どもや家庭にが適切な時期に支援へつながっていることが重要です。
答弁では、巡回や校内会議への参画によって、早期把握ができる体制を整えているとのことでした。もしその仕組みが十分に機能しているのであれば、初期段階での短い関わりが、
多くの学校に広く生まれているはずです。
しかし実際には、増員がなされたまさにその期間に、年間1日から9日という短期間の関与校は26校から6校へと減少し、関わりは一部の学校への長期的な支援へと集中しています。
複雑な課題に対して継続的で深い支援を行い、解決へ導いていることは非常に重要であり、この点も評価いたします。
だからこそ、本来であれば早期に、初期段階での関わりによって対応できたはずの子どもが、見過ごされていないか。
学校で気づかれないまま事態が深刻化し、結果として長期の重い支援へと繋がっているのではないか、ということです。
この点を、教育委員会として一度立ち止まって、しっかりと確かめていただきたいのです。
このように高槻市が派遣型という仕組みをとっている以上、どれだけ優秀な専門職であっても学校から「支援が必要です」という声が上がらなければかかわることはできません。
例えるなら消防車と同じです。
火災が起きてから出動することも大切ですが、本当に重要なのは小さな火種の段階で気づき早く通報できることです。
子どもの支援も同じです。
そのため、スクールソーシャルワーカーの活用状況や支援開始までのプロセスについて実態を把握し、早期把握・早期対応がどの程度実現できているのか継続的に検証していただきたいと思います。
そしてすべてのこどもたちが、担当する教職員や学校による違いに左右されることなく、必要な時に必要な支援へつながることができる体制づくりに、引き続き取り組んでいただくことを要望します。
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「増員したのに、なぜだろう?」
今回の一般質問でスクールソーシャルワーカー(SSW)の活動実績を確認した際、私はある数字に目が留まりました。
高槻市ではSSWが3名から6名へと増員され、課題好転率も大きく向上しています。困難な状況にある子どもや家庭に対し、専門職が継続的に関わることで支援の成果が上がっていることは大いに評価しています。
しかしその一方で、年間1日から9日という短期間の関わりを持つ学校は、26校から6校へと大幅に減少していました。
もちろん、支援が必要な学校そのものが減った可能性もあります。
けれど私は、別の可能性も考えました。
本来であれば早期の段階で対応できた課題が、より深刻化してから支援につながっているケースはないのだろうか。
派遣型の仕組みでは、学校現場が異変に気づき、適切なタイミングで支援につなげられるかが重要です。
子どもたちの小さなSOSを見逃さないためには、支援体制を整えるだけでなく、その仕組みが実際に機能しているかを継続的に確認していくことも欠かせません。
誰もが、必要な時に、迷わず適切な支援につながることができる体制づくりに向け、今後も現場の仕組みに注目してまいります。
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