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子ども園化に伴う0歳から2歳児の保育の確保と福祉機能の維持について 令和7年12月議会②

  • 執筆者の写真: 西村ゆみ
    西村ゆみ
  • 6 日前
  • 読了時間: 6分

質問② こども園化に伴う0歳から2歳児の保育の確保と福祉機能の維持について


<私の質問>


現在、高槻市では、令和6年に策定した「第3次高槻市立認定こども園配置計画」に基づき、公立保育施設の認定こども園化と民間法人への移管、いわゆる民営化を進めています。


この計画では、2033年度までの10年間で21園の再編を行い、最終的に0〜5歳児を預かる公立保育施設は市内に、5園となる見込みです。


市が示す子ども園化・民営化の主な理由は、①幼稚園の定員割れ②3歳以上児の受け皿確保


の2点だと説明を受けました。


しかし「保育園」と「認定こども園」は目的が大きく異なります。


保育園:0〜2歳を含む保育を必要とする家庭への福祉インフラ


認定こども園:教育と保育の一体化(主軸は教育)


そのため、子ども園への転換が進むことで、0〜2歳児の受け皿が縮小する可能性があります。


市は3歳以上の受け皿確保については説明していますが、0〜2歳児の保育ニーズをどこまで把握しているかが重要です。


令和2年、国勢調査では、高槻市の世帯の約6割が共働き世帯であり、0〜2歳児だけでも1,879名の保育希望があるとのことでした。


さらに、就労以外の理由(育児不安、産後うつ、介護、障害、病気、緊急預かりなど)で保育を必要とする家庭も一定数存在します。


事前にお聞きしたところ、現在の申込ベースでは


就労を理由とするものが95%

介護、障害、病気など就労以外の理由が5%とのことでした。


ただ、この「5%」という数字は、実際に申し込みができた家庭だけをもとにしたものであり、本当は保育を必要としていても申し込みに至っていない家庭、いわゆる、潜在的なニーズは把握できていない状況だと考えます。


さらに、民営化後は、定員やクラス構成を、各法人が決められるため、行政としてのコントロールが弱まり、結果として、 0〜2歳の受け皿が縮小するのではないかといった懸念があります。


加えて、公立保育園が担ってきた、一時預かり、緊急預かり、相談支援・家庭支援


といった福祉インフラとしての機能も、民営化後に確実に維持されるのかが重要な論点です。


そこで、公立保育所を民間法人に引き継ぐ、移管についてお伺いします。


①     子ども園化・移管後においても、0〜2歳児の受け皿を維持するための基準や協定はどのように担保されますか?


②     公立保育園が担ってきた一時預かり、緊急預かり、相談支援などの福祉機能について、移管後も、継続して確保するための仕組みはどう設計されているのでしょうか?


答弁


1点目の、公立保育所の民営認定こども園化後の定員数についてですが、西村議員は、0歳から2歳児の受け皿の縮小に懸念されていますが、移管先法人の公募において、移管前の公立保育所と同等以上とすることを要件としており、0歳から2歳児の定員についても、在園児の状況や保育ニーズ等を踏まえ、適切に設定されるものと考えております。

また、本市におきましては、0歳から2歳児の保育ニーズへの対応として、小規模保育事業所を整備するなど、受け皿の確保に努めております。


2点目の、公立保育所が担ってきた機能を継続する仕組みについてですが、障がい児等の配慮を要する子どものため、特別支援教育・保育を実施することや、子育て相談及び地域活動等の地域の子育て支援について、現行の水準を下回らないよう、引き続き実施することを移管要件としています。



2問目の質問


0〜2歳児の受け皿と、公立保育所が担ってきた福祉機能について、移管後も市が責任をもって守れるのかという点について、確認させてください。

まず、0歳から2歳児の定員についてです。


移管先法人の公募要件として、「移管前の公立保育所と同等以上」とされているとのことですが、これは移管時点での条件なのか、それとも移管後も継続して維持されることを、市が責任をもって担保するものなのでしょうか。


また、移管後に定員や年齢別構成が変更される場合、市として是正を求める、あるいは指導・調整を行うことができるのか。


その具体的な関与の仕組みについてお聞かせください。


次に、公立保育所が担ってきた福祉機能についてです。

答弁では、「現行の水準を下回らないよう引き続き実施することを移管要件としている」とのことでしたが、ここでいう「現行の水準」とは、具体的にどの機能を、どのような基準で捉えているのでしょうか。


また、移管後に、一時預かりや緊急預かり、子育て相談や家庭支援といった機能が、単に制度として残るだけでなく、実際に利用しやすく、支援の質が維持されているかどうかを、

市としてどのように確認・評価していくのか、その仕組みについてお聞かせください。



答弁


1点目の、定員要件についてですが、移管時点において現在の定員以上とすることを移管の条件としております。また、将来的に、保育ニーズの変化などにより本条件を変更する必要が生じた場合は、本市と移管先法人で協議の上、その取扱いを決定することとしています。2点目の、地域の子育て支援における現行の水準についてですが、子育てに不安や悩みを持つ父母等からの相談を受け付けるなどの機能を引き続き実施することを求めております。また、保育を利用するにあたり、配慮を要する子どもの受け入れについてですが、認可保育施設は公立・民間に関わらず、市の利用調整により受け入れ先が決定するものであることなどから、引き続き市が関与することとなります。


最後の意見要望


本日の答弁では、民営化後においても、子育て相談等の機能を引き続き実施することを求めているとの説明がありました。


一方で、どのような相談機能を、どの程度の体制で継続するのか、それらが実際に適切に提供されているかについて、市としての確認方法や関与の在り方が、現時点では必ずしも明確になっていないと感じています。


また、配慮を要する子どもの受け入れについて、市が利用調整を行うことで関与するとの説明がありましたが、利用調整と、実際の保育や支援の内容・質の確保とは、異なる役割であるとも考えます。


保護者にとって重要なのは、


「困ったときに本当に相談できるのか」

「必要な支援がきちんと受けられるのか」という、日々の安心です。


民営化後においても、公立保育所が担ってきた相談支援や配慮を要する子どもへの対応が、形だけでなく、実際に機能しているかを、市が継続的に確認し必要に応じて関与できる仕組みを求めます。


こうした取組の積み重ねが、

子育て世代にとって、またこれから子どもを産む育てようと考える世帯にとって


「高槻市なら安心して暮らせる」と感じられるまちづくりにつながると私は考えます。


将来を見据え、必要な検証と見直しを行うまちづくりをお願いします。


こども園化が進む中で、0〜2歳児の保育や、公立保育所が担ってきた相談支援は、民営化後も本当に守られるのでしょうか?


12月議会では、この疑問を出発点に、0〜2歳児の受け皿確保と、福祉機能の維持について質問しました。


市からは、移管時点で定員を維持することや、相談支援は現行水準を下回らないよう実施するとの答弁がありました。


一方で、それらが移管後も継続して守られるのか、実際に支援が利用しやすく機能しているかを、市がどう確認し関与していくのかは、引き続き重要な課題です。


制度が「ある」だけでなく、困ったときに本当に頼れること。


その安心が守られる仕組みを、今後も求めていきます。


※今回の一般質問について、背景や問題意識をより分かりやすくまとめた記事をnoteにも掲載しています。詳しくはこちら


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