令和7年度主要予算内容の記載基準及び統一ルールの策定について
- 西村ゆみ
- 3月28日
- 読了時間: 5分
こんにちは
一般質問④主要予算内容の記載基準及び統一ルールの策定について
<私の質問>
毎年3月議会では、「令和7年度主要予算内容」について、議員が各担当課から説明を受ける機会があります。
憲法上の財政民主主義に言及するまでもなく、政府や地方自治体の予算と決算は市民がその内容を理解することが前提となっています。
ところが、主要予算内容が掲載された冊子は、率直に申し上げて非常に分かりにくく、理解に苦しむものとなっています。
結果、各事業課に色々と質問をしなければ内容の把握ができませんでした。
例えば、こども未来部の「就学前児童の教育」では、保育・幼児教育の予算が昨年度比で13億円増加しています。
しかし、どの事業にどれだけ増額されたのか、冊子には内訳が一切記載されていません。
一方で、教育委員会事務局の事業については、すべての事業単位で金額が記載されていましたが、総額が記載されておらず、自ら電卓を叩いて計算する必要がありました。
また、こども未来部の説明では「詳細は予算説明書を参照してください」とのことでしたが、予算説明書に記載された金額と主要予算内容に記載された金額が異なっていました。確認のために問い合わせたところ、ある事業については主要予算内容の別ページに記載されていることが判明しました。
つまり、 主要予算に掲載する金額の基準は各課で異なる、
そして異なる金額が記載されている理由は、各課に問い合わせなければ分からないという状況が生じているのです。
こうした問題が発生している理由について、事前にお話を伺いました。
結果、以下の点が分かりました。
1. 主要予算の「主要」の定義が各課に委ねられている
2. 担当課の裁量によって、慣例的・感覚的に決定されている
3. どの項目を掲載するかの明確なルールが存在しない
4. 作成はエクセルを用いた手作業であり、各担当課に大きな負担がかかっている
かなりの労力をかけて作成されたこの資料は、一体誰のために、何のために作られているのでしょうか。
予算や決算の内容は議員のみならず、市民にとっても理解が可能なものでなければなりません。
現在、同じ中核市の明石市では、市民と作る財政白書のプロジェクトが推進されています。
今回、その会長でもある関西学院大学の石原俊彦教授に、高槻市の予算書決算書の一部を見ていただきましたが、市民との協働と参画を前提とする高槻市の市政運営の一つの課題として、予算書や決算書の見やすさ・わかりやすさの追求が必要ではないかという示唆をいただきました。
石原教授は西宮市代表監査委員の経験もお持ちで、学識だけでなく、地方行政の実務にも習熟されています。
市の予算は税金で成り立っています。市民に対して、どのように使われるのかを明確に説明する責任が、私たち市議会議員にもあります。
そこで質問です。
まずは各担当課に任せるのではなく、少なくとも1,000万円以上の増額がある予算については記載するなど、統一した基準を設けるべきではないでしょうか?
この点について、市の考えを教えて下さい。
<市の答弁>
本市では、当初予算案をご審議いただくに当たり、地方自治法等に作成基準が定められている「予算書」及び「予算説明書」を提出するとともに、市独自の資料として、事業ごとの予算額を記載した「予算参考資料」を作成しています。加えて、予算の要点や新規事業などを取りまとめた補足説明資料を各部で作成しています。
一方、議員お尋ねの「主要予算内容」につきましては、1年間の市政運営の方針や重点施策などをまとめた「施政方針大綱」の付属資料として、第6次総合計画の基本計画の構成に沿って、予算額の多寡にかかわらず、主要な事業概要を部局別に説明するために作成しています。このように、予算も含め、様々な視点から調査・審議をいただくに当たり、議案等を補足説明するために作成している資料については、一律のルールによるのではなく、施策の内容や予算額等を総合的に勘案したうえで、それぞれの目的に応じて作成しています。
今後とも、より分かりやすいものとなるよう、引き続き、研究してまいります。
<最後の意見・要望>
先ほど申し上げましたとおり同じ中核市である明石市では、市民と作る財政白書のプロジェクトが推進されています。
このプロジェクトでは、明石市の財政状況や財政運営上の課題を見える化し、今後の財政見通しや財政運営上の目標及び取組方針などをまとめた「(仮称)みんなでつくる財政白書」を策定し、市民の皆様と共有します。
検討会やタウンミーティング、議会からの意見を反映し、「みんなで」作ることで、専門的知識のない方でも理解でき、誰にでも手に取ってもらえる「わかりやすい」財政白書を目指しています。
漫画やコラムでも「みんなの財政白書あかし」と作成されており、大変分かりやすかったです。
分かりにくいのは仕方がない、
今までこのやり方でやってきたから
そうした市の慣例を見直していきませんか?
行政内部における款項目節細節の曖昧さの解決はもとより、こうした財政情報を市民に伝達することの重要性、また、それを介して市民が財政情報に関心を持つことができるような「ナッジ」の導入も高槻市の重要な課題です。
未来志向の改革を目指す高槻市として、誰もが「住みやすいまち」、「訪れたいまち」と思える本市の将来を見据えるのであれば、
黒字健全化、次世代へのつけを残さない、
一生懸命取り組まれている高槻市の努力を、もっと市民の皆様に伝えていきませんか?
ぜひ来年度に向けて研究にとどまらず、実際に改善に向けた行動をお願い致します。
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現在、予算の表示基準は各課の裁量に委ねられており、統一されていないため、非常に分かりにくい状況です。
私が質問で指摘したのは、高槻市の主要予算内容の こども未来部 就学前児童の教育・保育(P13〜P15) と、教育委員会事務局(P24〜P27) の部分です。
▼ 高槻市 主要予算内容はこちら
市民にとって分かりやすく、透明性のある予算書とするためにも、高槻市として統一した基準を設けるべきではないでしょうか?
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