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執筆者の写真西村ゆみ

12月議会 一般質問② 通学移動支援の公的支援制度導入について

更新日:2023年12月23日

こんにちは


12月議会で3つ一般質問をしました。


一般質問とは、議員が市の行う仕事に対して疑問点を質問し、答弁を求めるものです。

→分かりやすく長崎市が書いてくれています。こちらを読んで下さい


政策テーマでもある「障害のある人もない人も生きづらさを抱えている人も、みんなで一緒に歩んでいける街」に基づき一般質問を致しました。


その内容を公開します。

※2週間以内に私の発言内容が動画として高槻市議会よりUPされます。

改めてURL分かり次第、お伝えします。


議会で発言した内容の文言そのままではありません。

読みやすいよう、一部修正しております。


<私の質問>


身体障害や知的障害を伴う児童が一人で登下校を行うことは、困難で危険を伴うことがあ

ります。障害者総合支援法に基づく「地域生活支援事業」の中に市町村が行う事業として「移動支援事業」があります。移動支援にて、自力での通学が困難な児童・生徒を対象にヘルパーが付き添う通学支援を行う自治体が大阪府内で増えています


2012年から枚方市が「障害児通学支援事業」にて、2018年に池田市で「市障害児通

学支援事業」、2019年に四条畷市で「障害児通学支援事業」、2021年に箕面市で「重

度障がい児送迎事業」、2022年から豊中市にて「通学支援サービス」、2023年から茨

木市にて「障害児通学支援事業」とあります。


高槻市では残念ながら公的なサービスとしての制度化が実施されていないことから、

保護者が体調不良で登下校の付き添いができないとき、高槻市内の複数の相談支援事業所

の方から聞いたお話ですと、「子供を休ませる」問題が発生しているとのことです。


憲法第26条2項、すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。と書いている通り、「親が」子供たちに教育を「受けさせる義務」、子供の義務ではなくて、親の義務です。ただ、親が体調不良や都合がつかずに子どもが学校にいけないケースを想定して、通学支援事業を整備し、子どもたちが安心して学校に通える環境をつくることが行政として必要ではないでしょうか。


加えて、現在、共働き世帯が70パーセントを超えている中、障害児を育てる親たちのなかには、こうした移動支援事業が十分でないため、就労をあきらめているケースも少なくありません。内閣府男女共同参画府は「女性が働けば就業者数は減らない」と女性の働きを推進していますが、障害児や医療的ケア児を育てながら働こうとする親の前には、両立を続けるためのハードルが幾重にも立ちはだかっています。登校や通院の付き添い、夜間ケア、そして健常児なら親の手が離れる児童期を終えたあとのも続く、終わりのない育児です。


放課後等デイサービスでは夏休みなど学校がないときのお迎えがご自宅に午前10時すぎ、帰りは通常の放課後デーの時間よりも終わるよりも早いため、保護者の勤労時間ともあいません。加えて、障害児の養育費は思わぬことでかかります。お母さんたちの声です。


A子さん:娘は感覚過敏で特定の寝具しか使えません。娘の体調管理のため、室温の管理にお金がかかります。


B子さん:移動支援の余暇活動では、水が好きな私の娘は月々の光熱費が10万近くにのぼります。


C子さん:特殊な症例のため診察できる病院が限られており、毎月1度、東京の病院に通っています。兄弟もいることから交通費だけでもお金がかかります。


親の死後も我が子の養育をするために少しでもお金を残したいと思う親も少なくないなか、仕事を調整する、フルタイムを諦めパートで働くなど、収入減を仕方がないことと受け入れている親も少なくありません。


18歳未満以上に深刻なのが特別支援学校の高等部を卒業して生活介護を進路先に選ばれる方たちです。留守番は難しい、放課後等デイサービスも卒業となると児童期以上に勤労時間が制限されてしまいます。


事前にお聞きした情報ですと、移動支援事業は制度化はしていないが、「各家庭の個別事情を踏まえて判断をしている」と伺いました。障がいや疾患の状態は一律ではなく、それぞれ異なるため、個別対応は当然のことですが、大前提としての最低限の保障されるべき権利と申しますか、基準づくりは欠かせません。


なぜなら制度化されていないということは、判断する人が変われば、都度決定される内容や基準が変わる恐れがあるからです。


現在、高槻市では第6期障がい福祉計画の資料によると、障がい者手帳を保有している18

歳未満の児童は230人、療育手帳は971人、合計1200人程度います。

枚方市で障害者手帳を保有している18歳未満の児童は278人、療育手帳は1108人と1300人と、人口比から考えると高槻のほうが枚方市より障害児の割合が多いです。


なぜ高槻市は障害児や医療的ケアが必要なお子さんが安心して学校に通えるよう、登下校の付き添いをヘルパーが行う移動支援の制度化に取り組まないのでしょうか? 移動支援は、障害や疾患のあるお子さんの暮らしを支える親の離職防止・両立支援につながります。


<役所側からの答弁>


本市における移動支援事業による通学への利用については、保護者が病気などによりやむをえず送迎できない場合等、個々の状況を踏まえて、利用できるものとしています。また医療的ケアを必要とする児童生徒の健やかな成長とその家族の離職防止を図るため、令和4年度より、医療的ケアが頻回に必要かつ重度の肢体不自由があり、保護者が就業のため学校への送迎が困難な児童生徒を対象として、介護タクシーに医療的ケア活動し偏印が同乗し、登下校の送迎を行う事業を実施しています。


<私の質問②>


医療的ケア児の支援があることは分かりました。また保護者が病気などによりやむをえず送迎できない場合等、個々の状況を踏まえて利用できることもわかりました。


それでは個々の状況を踏まえた市民からの通学に利用したいなどの相談件数はこれまで何件ありましたか?またそのうち通学に利用できた方は何人いるのでしょうか?


<役所側の答弁>


個々の相談件数は数えていません。


<意見要望>


保護者が病気などにより「やむをえず送迎できない場合は個々の状況を踏まえて利用できるものとします」との答弁でしたが、「やむおえず」の定義は保護者の病気だけなのでしょうか?


シングルマザーが営業の仕事で顧客の都合により突発的な仕事が入り、学童から自宅までのお迎えが厳しいなども「やむおえず」に該当はするのでしょうか?


事前に障害福祉課の方から「利用できるものとします」とのことですが、ヘルパーを派遣する事業所の一部は、「通学に使えない」理由から断るケースもあります。その理由は必ず福祉指導課の実地指導の際に、「通学支援では使えないのになぜ使っているのか?」と問われるからです。「やむおえず」が曖昧なまま、他市のように公的支援の制度もない。市民からの相談件数もカウントしていないということは、どのような相談内容があったかも把握していないものだと考えます。


親たちが申請する福祉制度には、利用できるまでにいつも2段階の作業ハードルがあります。①受給者証を発効してもらうための申請手続きですこと②サービスを受けてよいという受給者証を発行してもらった後の事業所探しと、ヘルパーさんの確保です。


公的な制度として制度化されていなければ①の受給者証の発効が個別審査案件となり、時間も要するうえに、受給者証の発効要件も厳しいと聞いています。そして①の受給者証が発効されても②の事業所探しとヘルパーさん確保に奮闘しなければいけません。障害児らに対応できるヘルパーさんは少なく、何より運良くヘルパーさんが見つかっても、障害特性によってそのヘルパーさんに子の障がいの特性や、対処方法などを理解して、双方が対応に慣れていただくためには、時間がかかりますを要する場合があります。特に初めてが苦手な自閉傾向の強い知的障害児は対人関係を築くのに時間がかかります。装具をつけている肢体不自由のお子さんの場合、装具の脱着方法や、使い方を習熟するのに時間がかかります。支援が必要な緊急事態が起きてから、申請するのでは間に合いません。


自閉症の子供を育てながら夫は失業による転職で収入が低いため代わりに働くお母さんから、


「手術で入院することになってしまったんだけど、子供を置いて入院はできない。働かないといけない。学校にも通わせないといけない・・どうしよう」

と、自身の体調よりも先に子供の心配をするお母さんがいます


もちろん、高槻では突発的なものに対応するために短期的な仕組みとして、高槻障がい福祉サポートネットワークがあると聞いています。しかしながら、そちらの仕組み、計画相談をしているご家庭はカバーされていますが、セルフプランの方たちはどう対応したらいいのでしょうか?


セルフプランから計画相談に変更したくとも現在、高槻市では相談支援事業所が足りないと聞いています。複数人のお母さんから「計画相談を勧められても計画相談事業所がいっぱいで断られる」と聞きました。


そもそも、相談支援員さんの人数は足りていない中で、公的な制度がないことより個別事情の対応自体、余計な時間だけがかかっているのではないでしょうか?


個別事情を踏まえて市が審査をしている間に時間だけ過ぎていきます。


真の平等とは、みんな一律に同じではなく、それぞれの困り事に寄り添って個別対応してくださることだと思いますが、1から毎回検討することが本当に高槻市で障害の子供を育てる親御さんの支援となっているのでしょうか?


そして本当にそれが市としてあるべき姿なのでしょうか?


ぜひ障害児通学支援制度導入を検討してください。


質問③に続く


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