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9月議会一般質問 障害児のイベント参加について

  • 執筆者の写真: 西村ゆみ
    西村ゆみ
  • 9月29日
  • 読了時間: 6分

1、高槻市のイベントプログラムにおける障害児の受け入れ体制について


<私の質問>


高槻市では毎月、多様なジャンルのイベントが開催されており、市民にとって大変有意義な取組みであると評価しています。


一方で、過去5年分の「高槻DAYS」を確認すると、参加条件の記載にはばらつきがあります。


例えば「保護者同伴必須」「手話通訳あり」など配慮が明記されているものもあれば、単に「小学4~6年生対象」「中学生以上対象」とだけ書かれているものもあります。


ここでお尋ねします。


高槻市が実施するイベントに、障害のある子どもが応募してくることをどこまで想定していますか?


例えば、仮に車いすの子どもが応募してきたら? 一人参加が難しいと判断されたら? 医療的ケア児が応募してきたら?


そのときに備えた制度設計はされているのでしょうか。


令和5年9月議会における将棋イベントについての質疑では、「障害児の参加状況は把握していない」「申し出があった場合はその都度対応する」との答弁がありました。


しかし、この「申し出があれば対応する」というやり方では、表向きは条件を満たしていても、実際には障害のある子どもが参加できないことがあります。


応募の時点では参加できると思っても、後から「やっぱり無理です」と言われてしまえば、子ども本人や家族にとって大きな心理的ショックとなります。


楽しみにしていたのに断られるという経験は、子どもに深い傷を残すこともあるのです。

一見すると門戸は開かれているように見えて、実際には閉ざされている。これは二重の壁とも言える状況です。


制度の仕組みそのものが、初めから障害のある子どもの参加を十分に想定していないために起きてしまう見えない壁だと考えます。


だからこそ、制度設計の初期段階から「障害のある子どもも参加する」という前提で仕組みをつくる必要があります。


もし安全上や運営上の制約があるのなら、「一人で行動できる方」などの条件を、あらかじめ募集要項に明示していただきたいと思います。


それが、後から断られるというつらい経験を防ぎ、誰もが安心して応募できる制度につながります。


<市の答弁>


高槻市のイベントプログラムに関する、ご質問にご答弁申し上げます。

本市が実施する各種催しについては、講演会等にあらかじめ手話通訳者や要約筆記者を配置するなど、障がいのある人も参加しやすい環境づくりに努めております。


次に、催しの参加条件につきましては、募集時に詳細な条件を付すことにより、参加希望者が応募をためらわれることも想定されるため、一般的な条件を記載しているものでございますが、障がいにより配慮が必要である旨の相談があった際には、建設的対話に基づく合理的

配慮の提供を行っているところです。

誰もが安心して応募できることは大切と考えておりますので、引き続き、丁寧な対応に努めてまいります。


<私の2問目の質問>


ただいまのご答弁の中に建設的対話に基づく合理的配慮とありました。


この建設的とは、具体的にどういう意味で使われているのでしょうか?


本来建設的とは前向きな話し合いを意味すると思います。


しかし実際には、「難しいのではないか」「危ない」「スタッフが足りない」「場所がない」といった理由ばかりが並べられていると、多くの方からお聞きします。


結局、合理的配慮が後追いの対応となり、子どもや保護者にとっては「表向きは門戸が開かれているが、実際には閉ざされている」という二重の壁になってしまいます。


だからこそ私は、誰が見ても分かる参加基準を明記するべきだと考えます。


参加基準を設けることは、安全面の配慮から設けるものであり、差別ではありません。


例えば「一人で身辺自立ができる方」と明記すれば、障害の有無にかかわらず、保護者が子どもの様子を見て「まだ早いかな」「大丈夫そうだな」と判断できます。


遊園地の乗り物でも「150センチ以下は乗れない」など、安全面から基準が設けられています。


そこに障害の有無は関係なく、差別にはあたりません。


以上を踏まえてお伺いします。


市は、イベントにおいて誰もが安心して応募できるよう、参加基準をあらかじめ明記することについて、どのようにお考えでしょうか。


<市の答弁>


建設的対話とはお互いの立場を理解し、共に解決策を検討していくための対話であると認識しております。本市といたしましては、障がいのあるなしに関わらず、あらかじめ必要な参加基準を設けるなど、安全面にも配慮して、適切に対応しております。

今後も引き続き、個別の相談にも丁寧に対応してまいります。


<最後の要望>


障害のある子どもにとって、イベントに「応募できること」自体がゴールではありません。

本当に大切なのは、応募した後に 安心して参加できることです。


しかし現状では、事前には「誰でも参加できます」と記されていながら、応募後になって「難しい」「安全確保ができない」などと説明を受け、まるでこちらから「やっぱりやめます」と言うまで追い込まれてしまう、という声をお聞きしています。


これは、子ども本人や保護者に大きな心理的負担を与えるだけでなく、市への信頼をも損なう結果になりかねません。


先ほどのご答弁では「必要な参加基準を設けて対応している」とのご説明でした。

もし既に基準を設けているのであれば、それを市民に分かる形で明示することこそが必要です。


基準が見えないまま「誰でも参加可能」とされ、後になって断られるのであれば、結局は二重の壁を生んでしまいます。


差別とは、本来「理由もなく排除すること」であり、安全確保や運営上の必要から設けられる条件を明示することは差別ではありません。


むしろ、不透明なまま「表では誰でも参加可能」としながら、裏では後から断ることこそ、子どもや保護者にとって差別的に感じられる大きな壁になってしまうのではないでしょうか。


どうか、子どもや保護者が 「市から壁を感じる」ことのないように、制度設計の段階から改善に取り組んでいただくことを強く要望いたします。


*******************************


「誰でも参加できます」と書かれているのに、応募後に「難しい」「安全確保ができない」と断られる――。


これは障害のある子どもや保護者にとって二重の壁。

楽しみにしていたイベントから排除される経験は、深い傷を残します。


だからこそ、参加基準の明示と制度改善を求めていきます。


noteに思いを書いております。


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